そんな中、為替市場では月初恒例の雇用統計を迎えたほか、ECBの政策金利発表など重要な指標が続き、相場は乱高下していました。
最近の話題ですが、ECBの予想外の利下げに続き昨日はRBAでも利下げが実施されました。
利下げ続きの背景とは・・・??
◆ECB利下げの理由◆
欧州中央銀行は5月2日に利下げを決定しました。
その背景としては長引く弱い経済活動と抑制されたインフレ率が理由とEBC総裁が見解を示しました。
弱い経済センチメントが今春にかけて長引いているとし、ユーロ圏のインフレ期待は抑制され続けており、政策スタンスも緩和的になると述べました。
欧州に関してはユーロ危機、ギリシャ不安、キプロス危機とマイナス要因が多くそれがずっと続いている状況です。
若者の雇用の問題も深刻で、2013年3月の失業率はユーロ全体では12.0%、ドイツ6.9%、フランス10.5%、イタリア11.5%、スペイン26.7%となっています。
ヨーロッパの方でも定職に就くというより、一定期間雇用を転々とする働き方が若者の間では主流のようです。
しかしながら一流大学を出ても職がないということも多いため、改善へ向かってほしいものです。
◆RBA利下げの理由◆
昨日5月7日はオーストラリア準備銀行RBAは政策金利を25bp引下げ、過去最低の2.75%としました。昨年12月以来の利下げです。
多くのアナリストが金利据え置きを予想していましたが、市場の反応は五分五分。数か月以内に再度利下げを行う可能性もあります。
RBA総裁の会見では最近のインフレ率が予想よりも低く、RBAの長期目標である2-3%に一致しているとしたうえで、主要な輸出コモディティー価格の多くが低下しているにもかかわらず豪ドルが歴史的な高水準にあるとし、豪ドル相場が利下げ要因の一つという認識を示しました。
ところで日本においては黒田日銀総裁の衝撃の金融政策でこれまでの無担保コールレートから量的・質的金融緩和に変更したことで政策金利ではなくなりました。
これはいったいどういう事なのか、調べてみると・・・・・
【無担保コールレート】
無担保コールレート(オーバーナイト物)は、コール市場で、金融機関同士が短期資金を貸し借りするときの利率です。
「無担保で翌日返済」という条件であることから、無担保コール翌日物金利とも呼んでいます。
(※コール市場とは、金融機関が日々の資金過不足を最終的に調整しあう場のことです。)
これまで無担保コールレート(オーバーナイト物)は、公定歩合にかわって、日本の政策金利となり、金融政策の誘導目標金利の役割を果たしていました。
★無担保コールレート(オーバーナイト物)を上げると、市場金利が上がります。
・長期金利が上昇すると、債券価格は下がります。
・市場金利が上昇すると、企業のコストが増えます。企業収益の悪化が懸念されると、株価は下落します。
★無担保コールレート(オーバーナイト物)を下げると、市場金利が下がります。
・長期金利が低下すると、債券価格は上がります。
・市場金利が低下すると、企業のコストが減ります。企業収益の好転が期待されると、株価は上昇します。
【量的・質的金融緩和】
金利の引き下げではなく中央銀行の当座預金残高量を拡大させることによって金融緩和を行う金融政策で、量的緩和政策、量的緩和策とも呼ばれています。
日本では過去に2001年3月19日~2006年3月9日まで実施していました。
平時であれば金利を下げていけば、経済刺激効果が出て景気は回復するが、深刻なデフレーションに陥ってしまうと、政策金利をゼロにまで持っていっても十分な景気刺激効果を発揮することができないため、ゼロ金利の状態で、市場にさらに資金を供給するという政策です。
2013年4月に日本は再び導入することが決定されました。日本銀行が国債や上場投資信託(ETF)などの金融資産をこれまで以上に買い入れることで、市場への資金供給量(マネタリーベース)を大幅に増やし、本格的なデフレ脱却を図るというもの。具体的には、12年末時点で138兆円だったマネタリーベースを14年末までの2年間で約270兆円に拡大し、2%の物価上昇率(インフレ)目標の達成を目指すとしていています。
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