ユーロ安の流れが止まらず、一昨日16日にもユーロ円において97円04銭となり、11年ぶりに高値を更新しました。さらに今月13日には、米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)がフランスとオーストリアの最上級格付けを「AA+」へ1段階引き下げ、イタリアやスペインの格付けを2段階引き下げるなど、ユーロ圏9カ国の格付けを格下げしており、欧州債務問題への警戒感が一段と強まっています。
本日はユーロ円の流れを見ていきたいと思います。
ユーロ円における、2011年1月から現在、2011年12月から現在のチャートは以下の通りです。
【期間】2011年1月1日~現在
【レンジ】高値123円321銭(2011/4/11)、安値97.034円(2012/1/16)
【高値と安値の値幅】26円287銭
【期間】2012年12月1日~現在
【レンジ】高値105円669銭(2012/12/2)、安値97.034円(2012/1/16)
【高値と安値の値幅】8円635銭
【チャート】GMOクリック証券
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米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が格下げしたユーロ圏9カ国については以下の通りです。フランスやオーストリアの格下げによりが支援能力の大幅な低下を示します。
格付け | 変更 | 現在 |
AAA | ドイツ、イギリス、オランダ、フィンランド、ルクセンブルク | |
AA+ | フランス、(元AAA) オーストリア(元AAA) |
米国 |
AA | ベルギー | |
AA- | 日本、中国、エストニア | |
A+ | スロベニア(元AA-) | |
A | スペイン(元AA-) スロバキア(元A+) |
|
A- | マルタ(元A) | |
BBB+ | イタリア(元A) | アイルランド |
BBB | ||
BBB- | ||
BB+ | キプロス(元BBB) | |
BB | ポルトガル(元BBB-) |
欧州では、ギリシャ、アイルランド、ポルトガルの財政がEUなどの支援が必要なほど悪化している状況です。イタリアやスペインは今年前半に大量の借金の返済期限を迎え、資金手当てができるか不安視されています。また現在、ユーロ圏では国債入札が相次いでいますが、入札状況が悪ければさらにユーロ安が進行すると想定されます。一方、ギリシャと民間債務団との交渉問題については、3月20日に控える大量の国債償還を乗り切れないとの思惑も上がっています。
パスタやワインの輸入品は安売りセールなども行っており消費者にはラッキーな事もありますが、対ドルよりも対ユーロでの円高の方が収益に影響が出やすいという日本の製造業企業の問題が気になるところです。
いつまで、そしてどこまで続く状況なのでしょうか。ユーロ円やユーロドルのスワップもマイナスに突入です。
引き続き、為替変動要因を握っている欧州債務問題には要注意していきましょう。